2010.08.16 Mon

企画AV女優になった少女の壮絶成長期!ピンク映画界の鬼才が消費される性を描く

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(C)「名前のない女たち」製作委員会

日雇いセックスで自らの性を売る“企画AV女優”たちの姿を追ったドキュメントルポ「名前のない女たち」が、ピンク映画界の鬼才佐藤寿保監督によって実写映画化された。

「少女の浮遊感」「視線の暴力」「エロスとタナトス」というモチーフを、一貫して自らの作品に投影させている佐藤監督。サトウトシキ、佐野和宏、瀬々敬久らとともに「ピンク四天王」と称され、映画『ロリータ・バイブ責め』『狂った舞踏会』『盗撮リポート 陰写!』など、単なる成人映画とは一線を画す高い作家性に人気がある。最近では谷崎潤一郎や江戸川乱歩などの原作をベースに独特な作品を製作していた。

そんな佐藤監督が映画『刺青 SI-SEI』以来約5年ぶりに製作したのが、原作ルポと同名の映画『名前のない女たち』だ。主人公は会社でも影の薄い地味なOL純子。抑圧的な母親と共に住み、会社同様に家庭内でも自分の存在理由を探し出すことができないでいる。渋谷の路上スカウトマンに声を掛けられ、ルルという芸名でコスプレAV女優になった彼女は、それまで得ることのなかった充実感を見出し、ハードな撮影にも挑戦していくようになるのだが……。

本作には、世間知らずの少女のような純子の危うい浮遊感と、男性との性行為を有無も言わさずカメラで捉えるという暴力、そして卑猥なAV撮影現場で起こる血まみれの惨劇など佐藤監督が得意とするモチーフが散りばめられている。過去作品によくみられた観念的な表現や展開を抑え、佐藤監督は一人の少女の壮絶な成長記として完成させた。市場規模100億円と推定されるAV業界の中でも、光を浴びることなく消費されていく女性たちの顔がこの映画にはあるのかもしれない。(石井隼人)

映画『名前のない女たち』は9月4日(土)より、テアトル新宿、新宿k's cinemaほか全国順次公開

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